西濃鉄道('08年3月24日
 
 
 
西濃鉄道は岐阜県大垣市にあり、
JR美濃赤坂駅から猿岩駅までの2.0kmの
貨物専用鉄道です。

主に乙女坂駅で石灰石を積み、
新日本製鐵名古屋製鐵所を目指して
1日2〜3往復、貨物列車が走っています。

1930年から1945年までの15年間は
旅客営業を行っていたこの路線、
美濃赤坂の町を縫うように走り、
地元の産業を支えている貨物鉄道を
探訪いたしました。

その時の様子をレポートいたします。
画像をクリックすると拡大画像が出てきます。
実家の福井:武生駅から出発。
いわゆる始発の急行「きたぐに」に乗ります。
平日なので空いているかと思いきや、
横になって寝ている方々のおかげで
席を確保できず・・・誤算!
米原から普通電車を乗り継ぎ、
午前7時半頃に
JR美濃赤坂駅に到着〜♪
美濃赤坂駅周辺の街並みは
昔ながらの建物が多く、
とても懐かしい、素敵な雰囲気でした。
惜しむらくはこの雨・・・。
毎度のことながら
自分の雨男ぶりにガックリ。
美濃赤坂駅から1キロ弱。
石引神社へとやってきました。
この境内の中を
なんと西濃鉄道の線路が
横切っているのです(!)

しばらく待っていると
向こうから機関車の汽笛が聞こえてきます。
そして、やってきました♪
DD402を先頭にホキ(貨車)の長編成がゆっくりと通過していきます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

徒歩で追いかけて
美濃赤坂駅に戻ってくると、
原色のEF65 1064号機
DD402とバトンタッチしている最中でした。
DD402から引き継いだ貨物列車は
JR〜名古屋臨海鉄道を経て
新日鐵名古屋製鉄所へと運ばれます。
この貨物列車は
平日、多い時で1日3往復設定されています。

美濃赤坂駅構内の傍らに
西濃鉄道の車庫があります。
車庫には先ほどまで働いていたDD402が、
車庫の横、側線には
DE10廃車体が置かれていました。
西濃鉄道には
今の「市橋線」の他に
昼飯(ひるい)線」という路線がありましたが、
2006年に廃止となり
今ではその廃線跡が残っています。

さて、雨も上がってきました☆
美濃赤坂駅構内を東側から見てみましょう。
先ほど見た西濃鉄道の車庫から
DD402の側面をうかがい知ることができます。
その車庫の後ろ側に
DE10の501号車が留置してありました。
確か現役のはず・・・?だと思いましたが、
エンジンがごっそりと降ろされていますね・・・。
故障でもしたのでしょうか?
構内の東側にも
工場へと入る引込み線が残っていました。
昔は大きな貨物ターミナルとして
大いに賑わっていたのでしょう。

いろいろ散策していく内に
本日2本目の列車がやって来る時間になりました。


係員の手旗信号で出発進行!

JR側から貨物列車が来る前に
西濃鉄道の車庫からDD402が出てきてスタンバイ☆

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

レンタサイクルが借りられず(まだ期間外でした(泣))、
やむなく徒歩での移動手段しかない私SGI_t
先ほどの石引神社へ先回りします。
この時点で体力の限界が・・・(汗)
天気も回復して
爽やかな風が吹く、静かな境内の中を
物々しい音を立てて貨物列車は横切っていきました。
なんとも不思議な光景・・・。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

列車の通過を見送り、
私SGI_tも追いかけるように徒歩で移動。

300mほど歩いていくと
矢橋工業乙女坂工場へとやってきました。
西濃鉄道の積荷は「石灰石」。
石灰石はセメントの原料になる他、
鉄鋼』の生成にも欠かせない資源です。
この金生山から採取された石灰石を運ぶために
西濃鉄道は存在しているのです。
石灰石ってご存知ですか?
一番身近な例を挙げると
グラウンドに引く白いライン、ありますよね。
あれも石灰石から作られています。
・・・なので、
工場周辺の道路は
白い粉が飛散しまくり(苦笑)

工場の敷地内を見てみましょう。
線路の向こうにDD402が停まっています。
その向こうで工場のラインから
ホキに石灰石が積み込まれています。

その傍(かたわ)らを
タンクローリーがひっきりなしに行き交っています。
別の角度から貨物列車を望む。
停車中は機関士さんもまったりモード
合図が送られるとお仕事開始☆
貨車を2両分前進させます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

さて、作業風景も見れたことですし、
さらに奥の方まで見てみましょう。

道路を線路沿いにさかのぼってみると、
貨物列車の最後尾が見えてきました。
この「乙女坂駅」から線路はさらに延びて
猿岩駅」というのがある・・・ということでしたが、
線路は乙女坂駅を越えたところで行き止まりっぽい。
実質は乙女坂駅が終点のようです。

さて、再びDD402の見える所へやってきました。
貨物車両全てに石灰石の積載が完了したようで、
DD402は目の前まで出てきました。

係員さんがスイッチを押すと踏切が作動開始。
すばやくDD402に乗り込み、
機関車は轟音(ごうおん)を上げて
フル積載のホキを引っ張っていきました。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)


私SGI_t
再び美濃赤坂方面へと歩き出します。

西濃鉄道の路線は
大垣市赤坂町の街を
縫うように敷かれています。
貨物専用鉄道なのに
地元の暮らしに密着しているかのよう・・・。
それもそのはず。
西濃鉄道は
1930年から45年までの15年間、
人を運ぶ「旅客営業」も行っていたのです。

今も「赤坂本町駅」の跡が残されています。
ヒイヒイフウ・・・(滝汗)
美濃赤坂駅にようやく着きました。
既に機関車はDD402から
JR貨物のEF65 1076号機にバトンタッチが完了。
発車までしばらく待機。
その脇を313系の普通列車が駆け抜けていきます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

更にここでハプニング(!)
JR側で何かトラブルが発生したらしく
貨物列車が大幅に遅れてしまいました。
いやぁ、相当待たされた・・・(泣)

待機中、
保線の係員さんたちは
手動ポイントのメンテナンス作業
こなしておりました。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)
待つこと1時間(!)
よ・・・ようやくEF65牽引の貨物列車は
DD402に見送られながら
ゆっくりと名古屋へ向かって出発して行きました。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

やれやれ・・・。

朝方の雨は嘘のように
空には青空、
太陽が燦々(さんさん)と輝いていました。
とてものどかな、時が止まるようなひととき。


さらに時間は過ぎて、
本日3本目となる貨物列車が
名古屋方面からやって来る時間となりました。


到着した空の貨物列車は
流れるようなスムーズな作業で
機関車をEF65 1097号機からDD402へとバトンタッチ、
そのまま乙女坂へと向かって
赤坂の町へと消えていきました。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)


さぁ、今回の西濃鉄道探訪はこれでおしまい。
最後に美濃赤坂駅を見てみましょう。

朝晩は通勤・通学の人たちで
結構混雑しているようでしたが、
昼間はとっても閑散とした印象。
発着する列車の本数もグッと減ります。
その驚くようなギャップと
貨物の引継ぎ駅という役割が
「美濃赤坂」という独特の雰囲気を作り出しています。
ようやくやってきた313系普通列車に乗り、
私SGI_tは美濃赤坂を後にしました。

歴史ある建物が立ち並び、
とても静かな、のどかな街の中を
いわば「場違い」のような(笑)ゴツイ貨物列車
1日に数回、街中を縫うように走っている。

そして、それは地元の産業をしっかりと支えている。

このように「人を運ぶ」とは違った
『地元密着型』の鉄道
というのは
とても珍しいと思いました。

今回の西濃鉄道探訪、
私SGI_tにとって
また新たな鉄道の魅力を見せつけられた
とっても有意義な体験となりました。


 

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