岳南鉄道 ('07年11月28日
 
 
 
岳南鉄道は
静岡県の富士市にあり
吉原駅〜岳南江尾駅の9.2kmを結ぶ
小さな私鉄です。
岳南の「岳」は『富士山』を意味し、
その名の通り富士山の南の麓を走っています。

富士市は製紙業の盛んな地域で
岳南鉄道の沿線にも工場が点在し、
岳南鉄道はそれら製紙工場の貨物輸送を担い
地元の産業に密着しています。

今回はその貨物輸送を目当てに
岳南鉄道を訪問いたしました。
その模様をレポートいたします。

とにかく、スゴいんです♪
画像をクリックすると拡大画像が出てきます。
場所は静岡県の富士市
別件で「富士駅」下車の後
折畳み自転車の「八兵衛(はちべえ)」で爆走し、
やってきたのは「比奈駅」。

岳南鉄道線の見所はここにある、といっても
過言ではありません。
駅構内に入ると
迎えてくれたのはED501(!)。
1928年、なんと昭和3年生まれ
と〜っても古い電気機関車です。
しばらくすると
吉原方面から
ED403牽引の貨物列車が到着しました。

しばし停車した後、
すぐに駅の東側へと移動していきます。

・・・・・ここからが『比奈劇場(勝手に命名)』の始まりです・・・・・♪

先程の列車がバックで戻ってきて、
繰り広げられた光景は
なんと『突放(とっぽう)』っ!!!

さて、「突放」とは何でしょうか?

しばらく駅周辺の工場で
入れ換え作業していたED501が
2度目の「突放」を披露してくれたので
そのシーンを詳しく解説しましょう。

ED501
工場敷地内から貨車(ワム)9両を牽引し
比奈駅の東側へと移動します。
ワムの車両には
作業員の方が配置しています。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

しばらくすると戻ってきますが、
よ〜く見てみると
ワム4両の向こう側が既に切り離されている(!)

惰性だけで転がって
駅ホームの左側(北側)に進んでいきます。
これが『突放(とっぽう)』です♪

さらに振り返って見てみると
今度は残り5両のワム
やはり「突放」により
惰性だけでホームの右側(南側)へ進み、
作業員の方の足ブレーキ
ギギギ・・・と所定の位置で見事に停車。

またまた振り返ってみますと
一番向こうで押していただけのED501
最初に切り離した4両のワムの所へ向かいます。


動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)


つまり
「突放」という作業を行い
機関車を何往復もさせずに
たった1往復の動きで
9両あった貨車の間5両の車両を抜き取った
のです。


比奈駅のホームを挟んで
左右に展開される熟練の突放作業・・・。
ホームで観察していた私SGI_t、
興奮というよりも呆然(ぼうぜん)といったかんじ(笑)



突放を交えた
入れ換え作業を終えたED501ED403
比奈駅構内でしばしの休憩。
ED501は老齢といえど、
いろんなパーツからは
たくましさすら感じさせます。

ちなみにこの慌しい作業の合間を縫って、
電車は西へ東へと行き交います。

この時間帯は
1両単行の7000形が担当。

駅の東側にある踏切から
比奈駅構内を見るとこんな感じ。

ここから右へ左へと
突放作業でワムを振り分けているのです。
その踏切脇に
昔活躍していたであろう電車の廃車体
物置代わりに使われていました。

ちょっと寂しい光景ですね・・・。


しばらくすると
物静かだった比奈駅構内が再び動きを見せます。

駅舎で休憩していた作業員の方が出てきて、
再び所定の位置へ移動していきました。

まずED501が牽引する貨物列車が
比奈駅の東側へと移動。

そしてまもなくその後を追うように
すぐにED403が追いかけていきます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

比奈駅東側のヤードで機関車を付け替え、
今度はED403が牽引。

比奈駅を素通りして
吉原方面(西側)へ向かって
走り去って行きました。


その後
3度目の「突放作業」が行われました♪


ED501が比奈駅の東側ヤードから戻ってきて
駅構内の貨車に連結。
(2度目の突放で外したワムです)
再び折り返し
駅の東側へと移動します。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)
ED501に押し出されたワムは惰性で側線へと入っていき、
ワムが通過した瞬間にポイントが切り替えられて
ED501はワムの隣の線路へと入っていきます。
惰性で進んでいたワムは作業員の巧みなブレーキ操作
すでに待機していた車両に見事に連結!

動画UP!

(画像をクリックすると動画が出てきます。)

今では貴重となった「突放作業」を3度も見ることができた・・・☆
これはまさに『比奈劇場』と言ってもいいでしょう。

いやぁ、夢のような時間を堪能いたしました♪

駅で吉原までの切符を購入。

先程まで作業しておられた方が、
この時は「駅員さん」(笑)

硬券にハサミを入れる「儀式」が
とっても懐かしいです♪



その後やってきた電車で吉原方面へ。
吉原の一つ前の「ジャトコ前駅」で下車。

沿線をブラブラと散策〜。

天気が良いと
岳南鉄道の沿線からは
見事な富士山が見えるそうですが・・・(半泣)
吉原方面から再びED403牽引の貨物列車が
新たな貨車を引き連れて
ゴロゴロとやってきました。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)
今度は2両編成の8000形
吉原方面へ向かって走っていきます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

私SGI_tも
折り畳み自転車「八兵衛」に乗って
吉原方面へとゆっくり移動していきます。

7002号車がやってきました。
新幹線高架の下を潜り
吉原方面へ走っていきます。
しばらくすると・・・♪
今度は
500系新幹線が駆け抜けます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)


さらに八兵衛を駆って
吉原駅へと向かいました。

JR「吉原駅」。
岳南鉄道との連絡駅です。

南口は結構閑静(かんせい)な佇(たたず)まい。
ホームの端にある階段を渡ると
岳南鉄道の車両が迎えてくれます。

今回はこれにて撤収。

晴れた日には富士山がキレイに見えて
壮大な光景が繰り広げられる岳南鉄道。
ま、私SGI_tは「雨オトコ」なのでご覧の有様でしたが(苦笑)、
また訪れてみたい、ステキな路線でした。

それに、何といっても「突放」シーン。

これは何度見ても飽きない、
とてもダイナミックな光景でした。

うん、また来て見たいゾ☆


とまれみよ


 

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