神岡鉄道跡 レールマウンテンバイク ('11年6月5日)
 
 
 
高原川の渓谷に沿って走る神岡鉄道は
2006年まで運行していた第三セクター鉄道です。

6割以上がトンネルor橋という山岳路線で
路線環境も良いことから
廃線後に「観光鉄道」として存続させようという動きが
市議会で提唱され、期待されましたが、
結局計画は事実上、白紙に・・・。

しかし、2007年から地元の方々が中心となり
廃線跡の線路を利用して軌道自転車を走らせる
「レールマウンテンバイク」のイベントを開始。
4月から11月まで行われており
世間の注目を浴びてきました。

廃線の直前に訪れてから5年・・・。
神岡鉄道を再び探訪してまいりました。

画像をクリックすると拡大画像が出てきます。
5年ぶりに訪れた奥飛騨温泉口駅
その様子は全く変わりなく、表札もそのまま。
すこし拍子抜け・・・と共に
再開をとても嬉しく思いました。
ただ、駅前に置かれていた
KMDDE10形ディーゼル機関車は無く・・・。
(解体されてしまったようです・・・)
代わりにポツンと看板が。
「R・MTB」「ガッタンゴー」
そう!
これが今回訪問した目当てのもの、
『レールマウンテンバイク(R・MTB)』です。
特製フレームに固定された2台のマウンテンバイク、
いわゆる「軌道自転車」
神岡鉄道の廃線跡を走ろう、というもの。
受付を済ませ(要予約)て
事前にビデオを見て
注意事項などの説明を受けます。
奥飛騨温泉口駅のホーム。
ここがスタート地点です。
5年前と全然変わっていないのが、嬉しい☆

ホームの下には道路に設置されていた
各駅の案内標識が並べられていました。
前の組が
スロープを駆け下りて出発っ!

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

続いて
我々の組の番です。

結構、ドキドキ。
結構、ワクワク。
スタート!
片道2.9kmの往路は下り坂。
惰性ですべる様に走っていきます。

「ガタン・ゴトン」というリズミカルな音、
沿線の風景、渓谷が気持ち良いっ!
あっという間に
最初の駅、神岡大橋駅跡に着きました。

神岡鉄道七福神の一つ
「弁財天」様の祠がありますが、
中にはどなたもいらっしゃらない様子。
さらに軽快に進んでいくと、
目の前に立ちはだかるのは・・・トンネルっ!

トンネルに突入すると・・・
暗いっ!寒いっ!
思った以上に長〜いトンネルと抜けると、
そこは5年前に最初に訪れた場所、
高架駅の飛騨神岡駅です。

いやぁ、まさか
線路側からお邪魔するとは
思ってもいませんでした(笑)。
高架駅なので、
線路から周りを見ると
沿線の風景は展望台から見ているような見晴らしのよさです♪

線路脇にフェンスが設けられていますが
高所恐怖症の私SGIは・・・爽快ですけどちょっと怖い(汗)。
飛騨神岡駅を過ぎると
すぐにまたトンネル

下り坂なので
一気にスピードアップ!
トンネルを抜けたこの場所も
とても懐かしい場所。

ここから「おくひだ2号」を撮影したなぁ・・・。
線路沿いの信号も
当時のまま残されています。
錆びて朽ち始めているのが当時と異なるところ。

ちょっと寂しいですね。
レールマウンテンバイクの終着駅、
神岡鉱山前駅が見えてきました。

もう楽しくて
あっという間でした。
ポイントを幾つか超えますが
この線路の見え方もカッコいい!
銀河鉄道999のオープニングみたい♪
(わかる方にはわかってもらえる・・・はず(汗))
終点〜神岡鉱山前〜。
他の方々も続々と到着。

この後
スタッフの方が手作業で
方向転換作業を行ってくれます。
のどが渇いたら、
大洞山の天狗水をどうぞ。


さて、折り返しを待つまでの時間に
神岡鉱山前駅跡を観察させていただきましょう。

駅の入口とホームを繋ぐ
トンネル&階段は封鎖されていて、
在りし日の神岡鉄道の写真が飾られていました。
待合室もガランとしていますね・・・。

待合室の上に掲げられている
時刻表と運賃表は
当時のままでした。
待合室隣の事務所の中には
制御盤(?)がそのまま残されていました。
今にも動かそうと思えば動かせそうな・・・。

当時のまま時が止まっているかのようです。
ホームの裏側の引込み線には
洗車機がそのまま残っています。
その奥にはシャッターの下りた車庫が。

この中には何があるのだろう・・・?
車庫の中を見たくてホームの奥まで歩いてみると、
窓の向こうにあるものは・・・!

なんと
KMDD13形ディーゼル機関車
KM-151「おくひだ2号」じゃありませんかっ!

5年ぶりの感動の再会。
でも前回は路線の上で活躍している姿を。
そして今回は車庫の中でひっそり眠っている姿。
ちょっと寂しい気持ちを感じたのを否定できません。

前述しましたように
神岡鉄道は廃線の後、「観光鉄道」として復活を模索した時期がありました。
もし復活した暁には、両車は再び神岡線を駆け回るのでしょう。
その日を待ち続け、両車は眠り続けているのです。


神岡鉄道は廃線になった路線ですので、
もちろん列車はやってきません。
なので線路の上を自由に歩き回ることができます。
意外とこれ、
できそうでなかなかできないことですよね☆

ここからは神岡鉱業の工場がよく見えます。
線路には
神岡鉱山の案内パネルが設置されていました。

裏を見てみると・・・
茂住駅にあった時刻&運賃表(!)
神岡鉱山前の線路上から猪谷方面を望む。
ここから先へは、もう行けないんだなぁ・・・。

線路が錆びて赤茶けている以外は
すぐにでも運行が再開できる雰囲気があるんですけどね。

このまま先へ行きたいなぁ・・・。

いろいろ付近を散策している間に、
復路の準備が完了しました。
復路、スタート!
前述しましたように、往路は下り坂。
・・ということは、
復路は・・・上り坂(!)

それなりに勾配があるので
ペダルの重さが行きとは全然違う(汗)。
キツイのはやだな〜・・・なんて思ったアナタ!
そんな方のために
「ハイブリッド自転車」というモノも用意されています。

電動アシストが付いていて
パワーモードもあるのでスイスイ走れますよ♪
往路は寒かったトンネルですが、
復路はペダルを力いっぱい漕いでいるので
涼しくてとっても気持ちがいいです(暗いけど)

トンネルを抜けると
再び飛騨神岡駅に到着です。
「ひだかみおか」の文字は当時のまま。

神岡鉄道七福神の一つ
「恵比寿」様は何処へ・・・
線路を軽快に走る音。
「ガタンゴトン」というリズミカルな音。
そして沿線の美しい自然。
心地良い風。
心が自然と落ち着いてきます。

動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)
更に坂道を登っていき、
難所を越えると・・・
終点の奥飛騨温泉口駅が見えてきました〜。
いやぁ、楽しかった〜。
・・・とペダルを漕ぐのを止めてはいけませぬ。
最後にもうひと頑張り!
スタートのスロープを
一気に上らないといけないのです。

それ〜っ!!!

無事にスロープを駆け上がり、
片道2.9km、往復5.8kmの軌道自転車「レールマウンテンバイク」の旅が終了しました。

いやぁ、とっても楽しかった〜☆


無事に走り終えると
記念のスタンプを押すことができます。

「リピーター割引制度」というのがあって
スタンプが押されたチケットを持っていくと
次回は200円割引してもらえます。


折角ですから
奥飛騨温泉口駅の中をいろいろ見させてもらいましょう。


扉には
「神岡鉄道(株)」の文字が未だ残っています。
ビデオで説明を受けた部屋には
いろんな神岡鉄道の名残のものが
置いてありました。
他にも
鉄道模型のコレクションや
茂住駅近くの山中にある
あの「スーパーカミオカンデ」の光電子増倍管が
展示されています。
2010年7月には
テレビ朝日の番組にて
「ナニコレ珍百景」に認定されたようです。

そりゃあ、珍しいですよね〜。
「俺は敷かれたレールの上を走る」
(笑)
受付のお姉さんは電話の応対に大忙し。

実は私も新聞の記事で知ったのですが、
最近いろんなメディアで取り上げられているようです。
そうこうしている内に
我々の後の組が出発していきました。

楽しんできてね〜!

鉄道の廃線跡を軌道自転車で走ろう、という
とても斬新な発想の「レールマウンテンバイク」。
観光スポットとしてもとても面白いですし、
廃線になり朽ち果てるだけの事が多い中で、
新たな活用方法を見出していることに
賞賛の意を表したいです。

素晴らしいっ!
楽しかったっ☆


そして、できることなら
神岡鉱山前駅から北の方へも行ってみたい・・・♪


レールマウンテンバイク Gattan Go!!
ご予約・お問い合わせはコチラから。



 

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