一畑電車('09年3月28〜29日
 
 
 
今回の山陰の旅、
お目当ては「一畑電車」です。

90年の歴史を持つと言われている
島根県の『一畑電車』は
宍道(しんじ)湖沿岸を走る「北松江線
そして出雲大社に向かって伸びる「大社線」の
2つの路線があり、
共に最高のロケーションでした。

そしてそこを走る電車も
また素敵な車両で・・・♪

2009年の春、
2日間にかけて
一畑電車の魅力に魅せられた
その時の様子をレポートいたします。
画像をクリックすると拡大画像が出てきます。
大寺美談(みだみ)間の沿線では
野生の菜の花が・・・。

太陽の光を浴びて
さらにキラキラと輝いている光景は
「春だなぁ〜」としみじみ思います。
その黄色い絨毯(じゅうたん)に
出迎えられるように
線路の向こう側からやってくる電車は・・・


動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

『デハニ50形 電車』

国内最古級のこの電車、
車齢はなんと80歳(!)


この後、
いわゆる「追っかけ」を開始。

松江イングリッシュガーデン前
松江しんじ湖温泉 間で
宍道湖と絡めて撮影。

さらに追いかけて
終点の「松江しんじ湖温泉駅」へと向かいました。

松江しんじ湖温泉駅は
意外ととてもモダンな駅舎でした。

ちょっとイメージと合わないような・・・(失礼!)

駅舎内では
グッズの販売が行われており
とても賑わっていました。
なぜそんなに賑わっているのか・・・?

ホームには先ほど走ってきたデハニ50が停まっていますが
この電車が「その理由」になります。

この「デハニ50形電車
さすがに老朽化が激しくなり
部品の調達も難しくなった事から
この「さよなら運転」をもって
残念ながら引退する事になったのです。

最近は「お座敷電車」として
活躍していたデハニ50
普段は「単行」での運用だそうですが
さよなら運転では
デハニ52と53が連結して
運転されていました。
外板のリベットが特徴的な「デハニ52
製造は1928年
なんと昭和3年生まれです(!)
荷物室を備えているので
「デハニ」なんですね。

デハニ50形日本で最古の
自動扉を持たない車両
としても知られています。
そして「デハニ53」。
こちらは一つ年下の1929年製造。

とはいっても80歳ですから
大したもんです。
細部をよく観察していくと
さすがに時代の経過を感じさせます。

しかし、それはまた
「たくましさ」をも感じさせるものばかり。
しばらくデハニ50を観察していると
隣の番線に元・南海電気鉄道21000系の
「3000系」3008編成
「しんじ湖ラムサール号」が
入線してきました。


さて、じっくりとデハニ50を観察する事ができました♪
この後のさよなら運転に備えて
先回りして待つことにします。

やって来たのは
大社線の高浜〜遥堪(ようかん)間の
超有名撮影地である
稲生(いなり)神社』です。

鮮やかな赤い鳥居が
たくさん並んで建っている光景は
とても神秘的なものです。

赤い鳥居とくぐると
大社線の線路があり、
その向こうに神社があります。

絵的にもなかなかGood☆



動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

そして
その鳥居の先を
さよなら運転を終えたデハニ50が
軽快に横切って行きました。


高浜駅近くの線路沿いにある
「さとがた幼稚園」には
昔活躍していたデハ1形の「デハ3・6」が
静態保存されています。

デハニ50と同様に
鮮やかなオレンジ色に塗られてピカピカでした☆


この後も沿線を散策しながら
一畑電車のある風景を存分に堪能しました。


出雲の風物詩である
築地松(ついじまつ)」も
沿線から見える場所に幾つかありましたよ。

夢中になると
時が過ぎ去るのはあっという間で・・・。

国内で7番目に大きく、
海水と淡水の混じった「汽水湖」である宍道(しんじ)湖も
陽が落ちて幻想的な光景になりました。


1日目はこれで終了。


翌日。

宍道湖も朝陽で輝いています☆


まずは一畑口駅へやって来ました。

ここは一畑電車で唯一の
スイッチバック駅」なのです。

ここにやってくる電車は進行方向を変えて
違う方向へ走っていくのです。

昔は「小境灘」という名前の駅で
3キロ程北にある「一畑寺」の所まで
線路が伸びていました。

この「0キロポスト」は
その時の名残でしょうか・・・?

駅のホームは
やはりどこか懐かしい造りです。

よく見ると
「線路」を活用していますね。

3000系が入線してきました。

しばらく停車した後
進行方向を変えて
走り去って行きました。



さらに時間が過ぎ、
今度は3000系と元・京王5000系の「5000系」が
なんと(ほぼ)同時に入線してきました(!)


場所を移動して
高ノ宮松江フォーゲルパーク間の
S字カーブの線路脇にやってきました。
ここでも菜の花が
風に揺られてユラユラと♪

更にしんじ湖温泉方面へ移動。

長江朝日ヶ丘間、
運転免許試験場横の用水路に到着。
ここは一畑電車沿線の有名な撮影地。

この日も多くの鉄っちゃんが
デハニ50狙いでカメラを構えていました。

もちろん、私SGI_tもね☆

今度は進路を180°転換。
デハニ50を追いかけ、追い越し、
出雲市方面に向かいます。


美談(みだみ)〜大寺間の田園風景を
トコトコと走るデハ二50を撮影♪

更にデハニ50を追いかけて、
大社線の終点「出雲大社前」駅にやってきました。

駅構内は
デハニ50をカメラに収めようと
鉄っちゃんで賑わっていました。


私SGI_tは
出雲大社前駅を出てすぐの堀川橋梁で
カメラを構えてしばし待ちます・・・・・



動画UP!
(画像をクリックすると動画が出てきます。)

さよなら運転を終えたデハニ50
静かに堀川を渡っていきました。



一畑電車の車両は存分に堪能しました♪

今度は建物に注目してみましょう。
ここ「出雲大社前駅」は
西洋建築のとっても素敵な建物です。
昔ながらの丸型ポストがとても似合うこの駅舎は
その歴史的価値が認められて
1996年に登録有形文化財建造物として登録されました。
駅舎内もまたキレイな造りをしております。
美しい円弧を描く壁など
近代のモダンな造りとは対照的に
とても温かみの感じる空間になっています。
ステンドグラス越しに差し込む光を受けて
駅舎内はカラフルな光に彩られています。
出雲大社前駅は1930年
なんと昭和5年(!)の開業。

駅の至る所に
昭和初期の時代を感じさせます。
駅の一角には
一畑電車の歴代の線路が展示されていました。
今、一畑電車を舞台とした
映画「BATADEN」が制作されています。
今年(2009年)の7〜8月にかけて撮影が進められている、とのこと。

デハニ50はこの日のさよなら運転をもって引退しますが、
映画の主役として、もうしばらく活躍するそうです。

これにて一畑電車の取材は終了。

出雲市駅へ戻ってまいりました。

一畑電車は「一畑グループ」の一員。
鉄道事業以外にバスやタクシー
他にはホテルや百貨店を営んでおり
出雲の地に密着した企業となっています。

出雲の国を走る電車はどんなんだろう・・・?
今回の探訪はとても期待に満ちたものでしたが、
実際に訪れてみて
「来てホントに良かった・・・」と思わせる
とても素敵なロケーションにすっかり魅了されてしまいました。

残念ながらデハニ50は「お役御免」となってしまいましたが
車両は変わっても沿線の風景はいつまでもこのままで・・・


 

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